2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

検索

カテゴリー

トピックス

50m温水プールと健康診断

 「50m温水プールと健康診断」と書くと、健康増進のための運動と健康チェック、というふうに思われるでしょうが、そういう話ではありません。私にとって、ある側面では、これらは相反する要素なのです。
 
 「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言いますが(本来は違う意味のようですが)...私は、少なくとも自分については、決まった外的刺激(運動)を与えることで、精神状態をある程度、健全な側に持っていくことができる、と経験から思っています。さらには、自分について、「所詮、電気化学反応で統合制御されて動いているタンパク質(or炭素)ベースのシステムでしょ」と思っているところがあります。数年前に建てた自宅には神棚があったり、「自分は、いざというところでは、たいがい運がいい方だ」などと非科学的なことを考えている一方で、そういうところもあるのです。なので、気持ちの面で調子が悪くなってきたな、と思うと、私は、50m温水プールに泳ぎにいくことにしています。時間を1時間をとれれば、50m泳いでプールの端に来るたびに立ち止まって、後ろに人が迫っていないか、前がつかえていないか確かめながら、また、フルスピードで50m泳いだり、ゆっくり泳いだりを繰り返しながら、合計1kmくらい泳げます。身体を動かして、たまには血液やリンパ液などをフルに全身に流して、酸素やら栄養やらを身体中によく行きわたらせ、また、普段、なまけている筋肉や呼吸器などを全開で働かせれば、また(少なくとも現時点の)本来の性能が発揮できるようになるだろう、という考えです。バイクも、ときどきはエンジンを上まで回して、エンジンやら排気系やらをフル稼働させてやらないと、低回転域でもあまりスムーズにエンジンが回らなくなるのと同じだと思っています。
 
 このことを明確に認識したのは、弁理士試験の受験生だったころです。産業財産権法逐条解説(当時は、「工業所有権逐条解説」という名前でしたが)を読んで勉強していると、ある程度を越えると、本当に、まったく1行の半分も読めなくなるほど、アタマの機能が低下します。そういうときに温水プールに行ってしばらく泳ぐと、また読めるようになるのです。当時は、多いときは週に3回、温水プールに行っていました(当時はもっと近くにある25mプールでしたが)。
 
 一方、ここ最近、気づいたのは、「どうも、健康診断に行くと、その後、1,2週間、明確に気分が落ち込むぞ。」ということです。初めてそのことに気がついてから、毎年気にしている(or気づく)ので、この相関は、かなりはっきりしていると思います。これは、測定しているその場で分かる検査結果の数値が悪かったから、ということではなくて(数値は全般にいい方だと思います)、その後、何日も、何をするにも、気分が低下気味なのです。かなり厭世的な気分になります。以前はそういうことはなかったので、これは、年齢がいってからやるようになった、そして、唯一、体内に(消化管の中ですが)物質が取り込まれる胃部X線検査(のバリウム)があやしいのでは?と思っています。しかし、もしかしたら、バリウムの後で飲む下剤のせいかもしれません。また、加齢で、健康診断の際に行われる何らかの処理や薬剤に、脳や何らかの物質を分泌する腺が敏感に反応するようになったのかもしれません。毎年、健康診断のしばらく後には、「来年は、胃のX線検査はやめてみようかな(あまり検査としての効果はないというし)。」と、思うのですが、翌年には忘れていたり、忙しかったりで、結局、毎年、やっています。そして、毎年、気分が塞いでいます。気分が塞ぐと、「これは、泳ぎに行かねばなるまい。」と思い、時間を作ってプールに行くことにし、そうすると、「おや、これは、いつもの健康診断の後の症状か。」と気づくのです。
 
 1,2ヶ月に一度、50m温水プールに泳ぎに行って、毎回、分かりやすく気持ちが前向きになるたびに、また、年に一度、健康診断の後に気分がどすんと落ち込むたびに、「やはり、この身体(脳を含む)は、決まった外的刺激を与えられて決まった反応をする、その点では割とシンプルなシステムだな。」と自分の理解を再確認するのです。[ K.H ]

 

トピックス

投稿日:2019年07月16日