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知財金融
ここ数年、特許庁と金融庁に関わる組織において、「知財金融」というキーワードが良く用いられている。ただ、「知財金融」の用語自体に確たる定義は無いように思え、また、意味もわかりにくい。そのまま受け止めると、知財界と金融界との融合ではあるが、そもそも、これまで両業界に目立った接点は無く、共通する事業や協働事業は存在しないから、具体的なイメージが浮かばない。
これまでも、我々、弁理士界が中小企業やベンチャーの支援に携わると、知財界の組織では解決できない、事業資金という壁に遭遇してきた。ところが、知財界と金融界との間には繋がりは無く、当事者が解決するしかなかった。
一方で、金融界においても、担保至上主義から、無担保で事業性評価に重きを置く融資スキームへの変化が求められており、新しい評価軸として、事業性の観点から見た、知財権の評価が項目として浮上してきた。
弁理士界側から、少しでも金融界の想いに触れ、相互理解を高めるために、本年度、日本弁理士会東海会において立ち上げられた知財金融対応委員会の一員として活動してきた。我々も先方も共に手探り状態ではあるものの、企業支援という共通の目的の下、やってみるべき協働事業は数多く存在し、手始めにいくつかの事業を実行してきた。中小企業やベンチャーの支援には、一業界の力では応えられないことは判っており、今後の化学反応が楽しみである。[ Ｙｏ．Ｉ ]
投稿日:2020年03月03日
