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日本文化と経済合理性、または「日本文学史序説・上」のこと
日本の文化の特徴は、新しい表現形式が生まれても古いものを捨てないところにある、と加藤周一は言った(「日本文学史序説・上」1975年)。新しいものが古い物を退けて交代を迫るのではなく、旧に新を付け加え、共存していく。けだし卓見だと思う。和歌・短歌という抒情詩の形式は遅くとも8世紀には成立した、その後、俳句が生まれても、和歌は廃れない、西欧との接触により自由詩型が用いられるようになっても、和歌も俳句もなくならない。それは詩に限らず演劇(能、歌舞伎、新劇)にも、あるいは言語の表記(真字としての漢字、...投稿日:2019年10月08日