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自然法則を利用していないもの

 表題の「もの」(自然法則を利用していないもの)は、特許法においては、「発明」(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの:特許法第2条第1項)に該当せず、仮に出願されても審査段階では拒絶され、仮に権利化されても無効にされることとなります。
 そんな自然法則を利用していないものの例として、「自然法則以外の法則(例:経済法則)」、「人為的な取り決め(例:ゲームのルールそれ自体)」、「数学上の公式」、「人間の精神活動」等が、特許に関する入門書、審査基準等において挙げられています。
 私自身は、前職において、発明者として数件、発明、すなわち「自然法則を利用しているもの」に関与しましたが、「自然法則を利用していないもの」にも関与したことを、先日(といっても数年前ですが)、或るテレビ番組を見ていて思い出したのでご紹介します。
 

 硬い感じで書き始めしたが、要は、『ゲームのルールを思いついたのだけど、それを、他の人がテレビ番組において「自分が発見した」と紹介されているのを見て、「これ、僕は20年以上前に思いついていたんだよ」と少し悔しく思ったので、それを紹介します』ということです。高尚な記事を期待された方には申し訳ございません。
 

 ルールは簡単です。
 4桁の数字(4つの数字の並び)を見つけて、または、思い浮かべてください。「数字を見つけて」というのは、例えば、ドライブ中であれば、先行車両の車両ナンバーが4桁だったりますし、電話番号の下4桁だったり、4桁以上並んだ数字のうちの任意の4つの並びを切り取って(選択して)得られる4桁の数字を見つけて下さい、ということです。
 次に、この4つの数字を、それぞれ1回ずつ使って、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を行います。このとき、計算結果は持ち越して、次に使う数字の演算において用います。4つの数字をどの順序で使うかは自由です。
 そして、4つの数字を1回ずつ使って計算した結果が「10」となる計算方法(演算の組み合わせ)を見つける、というゲームです。
 

 具体例を挙げないとわかりづらいですね。例えば、「7216」です。
 「6」÷「2」=3 ⇒ 3×「1」=3 ⇒ 3+「7」=10
 といった具合です。(かっこ内は、最初の4つの数字を示しています)最初の演算結果の「3」は持ち越して、次の演算の×1の演算対象となっていますね。
 もう1つ具体例を挙げますね。例えば、「4329」です。これは簡単ですね。
 「4」-「3」=1 ⇒ 「2」-1=1 ⇒ 1+「9」=10
 といった具合です。最初の演算結果の「1」を引き算における「引かれる数」ではなく「引く数」に使っていますが、このような使い方も、私ルールではOKにしています。
 

 このゲームは、社会人になって数年後に研修で東京に勤務になった際、通勤電車での暇つぶしで、購入した切符に4桁の数字が印字されていたので、思いついたものです。当時は交通系ICカードなど無く切符の時代だったので、その当時の研修仲間に教えたところ、ちょっとしたブームになりました。
 

 それから20年経って件のテレビ番組です。一緒に見ていた家族には猛烈に主張しましたが、「あっそう」の冷めた反応。まぁ、仮に発明該当性を満たしていたとしても存続期間は過ぎていたと思いますので何もできないのですが。というか、そもそも私が思いつくよりも前に思いついていた方も多数いらっしゃるのだろうと思いなおしました。
 

 さて、最後に問題です。「9999」を上記ルールで「10」にする計算方法(演算の組み合わせ)を考えてみてください。解答例は、次回の私の記事にて。[ S.K ]

 

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投稿日:2022年10月04日