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今年のモータースポーツ
COVID-19対応により開催が中止、延期された昨年と異なり、今年は国内外においてモータースポーツが概ね予定通りのスケジュールにて開催されている。
F1では、これまでの日本人ドライバーの中で抜群のセンスを感じさせる21歳の角田選手が参戦中である。デビュー戦で早々と入賞し、このまま行けるのかと感じさせたが、その後はちょっと苦労している。最近のF1改革のあおりを受けて、テストドライブの機会が大きく削減されており、新人ドライバーのみならずカムバック組にもかなり厳しい幕開けに直面しているように感じる。F2においても目を見張る適応性の高さを見せていた角田選手のこれからの活躍を楽しみにしている。
国内では、先週末開催されたスーパー耐久の富士24時間レースで、水素エンジン車がエントリーし、無事24時間走り終えている。テレビ中継でレースを見ていたが、パワーも十分出ており、エグゾーストノートもなかなかの快音であった。レース車両では、いかに早く燃料の燃焼を終わらせて応答性を増大させるかが重要であり、水素ガスはガソリンより燃焼速度が高いので、レース車両の燃料として適している。これまでも水素を燃料とするエンジン車両のプロトタイプはお目見えしているが、液体水素の扱いの難しさが原因なのか、実用化には至っていない。今回の水素エンジン車は、燃料電池車両において実用化された、水素を気体のまま車両に搭載する技術の恩恵を受けており、水素ガスを燃焼させる技術と化学反応させる技術とで共通コンポーネントを用いることになるとは、おそらく予定されていないかったのでは?と感じている。
モータースポーツ界においても、カーボンフリーの波は押し寄せており、インディーカーではバイオエタノール混合のE85燃料が用いられており、フォーミュラ-Eではバッテリーが用いられており、これに加えて、水素燃料を用いて従来のエンジン車両をベースとするレースも選択肢の一つに入るのかもしれない。将来における車両の動力源としての可能性には限りがないと感じさせられた。[ Yo.I ]
投稿日:2021年05月25日