アメリカ ワシントン 海外研修(トレーニー)

弁理士

6ヶ月間、アメリカ、ワシントンD.C.にある特許法律事務所(Sughrue Mion, PLLC)に滞在し、OJTや各種セミナーを通じてアメリカの特許実務を学んだ。OJTでは、滞在事務所の弁護士や近郊事務所の弁護士と協働して、米国特許出願の拒絶理由通知への対応を行った。その一環として、米国特許庁の審査官とのインタビューにも参加した。

期間

2007年7月3日(出国)から2007年12月29日(帰国)までの6ヶ月間

滞在先

 アメリカ、ワシントンD.C.にある特許法律事務所、Sughrue Mion, PLLC(以下、Sughrue)にお世話になり、オフィス一室(広さ8畳ぐらい)を使わせていただいた。Sughrueのメインオフィスは、ペンシルバニアアベニュー沿いにあり、有名なホワイトハウスまで徒歩で10分程度であった。帰宅途中には、ホワイトハウスやスミソニアン博物館などの観光を楽しむことができた。

住居

 ワシントンD.C.に隣り合うバージニア州、アーリントンにあるアパートメントの家具付きワンベッドルームを借りた。この部屋は、1人で住むには十分過ぎるが、夫婦で住むには若干狭いと感じる広さであり、機能が劣る設備(包丁、換気扇など)もあったが、とても快適であった。アパートメントからSughrueまでは、ワシントンメトロのオレンジライン(地下鉄)を利用して約15分であった。

研修概要

(1)OJT
 Sughrueの弁護士や近郊事務所(Oliff & Berridge, PLC)の弁護士と協働して、米国特許出願の拒絶理由通知への対応を行った。その一環として、米国特許庁の審査官とのインタビューにも参加した。Sughrue案件については、私と担当弁護士との間で互いの部屋を行き来しながら、応答方針について議論を行った。

(2)各種セミナー
 Sughrueにおける複数の弁護士からパテントエージェント試験向けの講義を受け、米国特許法を学んだ。Sughrueで毎週木曜日に行われるランチョンミーティングに参加し、判決や制度改正などを学んだ。

感想

(1)事務所について
 アメリカの映画やドラマによるアメリカの弁護士に対するネガティブな印象もあり、出発前には不安もあったが、実際のところ、Sughrueの弁護士はもちろん他の事務所の弁護士も皆、親しみやすく、気軽に交流を図ることができた。アメリカの弁護士とはランチや各種パーティ、ゴルフなどで多くの時間を共有することができ、仕事以外にも多くのことを学ぶことができた。アメリカ滞在中にお世話になったSughrueの弁護士Kellyさんとは、家族ぐるみで交流が続いている。

(2)ワシントンD.C.について
 ワシントンD.C.は、緑が多く、歴史を感じさせる街並みが維持されており、とても美しい街であった。ただし、治安については、治安の良い地域と悪い地域が明確に分かれており、治安が悪いとされる地域を車で実際に通りかかったが、その落差に非常に驚かされた。言うまでもなく日本よりも貧富の差は激しく、現地での生活を通じて、移民による低賃金労働によって成り立ってる社会の一面を垣間見ることができた。
 ワシントンD.C.の気候は、1年を通して名古屋より気温が少し低いようである。私が滞在した7月から12月までの6ヶ月間について言えば、夏は名古屋と同じくらい蒸し暑く、秋は残暑もなく爽やか、冬は名古屋よりも降雪が早い、と感じた。