ドイツ 海外研修(トレーニー)

弁理士

ドイツの特許法律事務所(KUHNEN & WACKER)に約6ヶ月間滞在し、OJTおよび各種セミナー等を通じて、EPおよびドイツの実務について学んだ。セミナー等としては、例えば、以下のものに参加した。
・ミュンヘンの特許事務所主催のセミナー
・Mewburn事務所主催のセミナー(英国)
・AIPPI会議(イタリア)
・JETRO主催の知財カンファレンス(デュッセルドルフ)

期間

2016年5月31日(出国)から2016年11月28日(帰国)までの約6ヶ月間

派遣先

ドイツの特許法律事務所、KUHNEN & WACKER Intellectual Property Law Firm(以下、クーネン事務所)。クーネン事務所は、ミュンヘン近郊のフライジング市内にオフィスを有し、オフィスは、フライジングの中心部から、丘を登った頂上付近に位置する。

住居

フライジングの中心であるマリエンプラッツまで徒歩5分以内の場所にあるアパートを借りた。マリエンプラッツには、時計台があり、15分置きに時間を知らせる鐘の音がアパートの中でも聞こえた。アパートからクーネン事務所のオフィスまでは、徒歩約10分の距離だった。写真は、上から順に、アパートからの風景、マリエンプラッツの風景、マリエンプラッツにある時計台からの風景。

研修概要

(1)全般
 クーネン事務所にて業務を行いながら実務を学んだ。クーネン事務所以外のミュンヘンに事務所を構える特許事務所(Winter事務所など)が取り扱う案件についても経験する予定だったが、適当な案件がなかったため、実現しなかった。その分、各種セミナーに参加することにより、EPおよびドイツの実務を学ぶ機会を得ることができた。
 なお、日本出願(外内含む)の中間処理、EP・ドイツ以外の外国出願中間処理、外国新規出願については、通常どおりの業務として行った。

(2)各種セミナー
・Mewburn事務所主催セミナー
 6月6日から19日まで、イギリスにて行なわれたMewburn事務所主催のセミナーに出席した。第1週(6/6-10)はブリストルにあるブランチにて講義が行われ、第2週(6/13-17)はロンドンにあるヘッドオフィスにて講義が行われ、週明けの月曜日(6/20)にはEPO(ミュンヘン)の見学が行われた。
・クーネン事務所セミナー
 毎年秋に開催され、この年は10月3日から7日まで行なわれた。特許、商標、意匠等、知財全般の講義が行われた。今回の参加者は、日本人の他、中国、韓国、セルビアなどの旧ソ連諸国の知財関係者が出席していた。
 この年は、クーネン事務所設立40周年にあたり、記念パーティーも行われた。写真は、記念パーティーの様子。

感想

・クーネン事務所では、所員の方が気にかけてくれ、おかげさまで快適に過ごすことができた。事務所には、最上階にコーヒーを飲むスペースがあり、ほぼ毎朝、数人でコーヒーを飲みながら、今の仕事やプライベートに関する話をした後、仕事が始まるというパターンだった。

・最初にEPの大まかな知識を吸収する観点から、Mewburnの研修が受けられるように、(今まで研修に行かれた方より早い)6月に出発することとしたが、現地の良い季節を長く滞在でき、結果的には良かったように思う。

・ドイツの働き方として、分業が明確である点が挙げられる。パートナーの役割、アソシエイツの役割、事務の役割が明確になっているため、無駄が少なく、勉強するところも多かった。例えば、専門的な知識を必要としない部分をほぼ全て事務が行うため、技術者は徹底的に専門的な知識を必要とする部分に注力できている印象を受けた。

・今回の研修は、家族を連れていった。このため、子どもが体調を崩したり、保育園にいかせられなかったりと大変なこともあったが、反対に、現地で知り合った方と家族ぐるみの付き合いができ、家を行き来したり、一緒に遊ぶなど、より深い交流も生まれた。
  また、家族と一緒にいったため、Mewburn研修の一部であったEPO見学や、クーネン事務所主催のセミナーにも、弁理士である妻が参加することができ、妻にとってもいい経験となった。