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サンタクロース(Red One)
クリスマスです。
先日、洗面所で歯を磨いていると、下の娘(小1)がやってきて、「パパ、3Dペン、かって。」と言います。「なんで、たんじょうびでもないのに、おとうさんが、あなたに、おもちゃをかってあげるのですか?」と聞くと、「えー? おとうさんにいえばいいんじゃないの?」と納得いかない顔をして、リビングに戻っていきました。上の娘(小3)が妹に、[サンタ=父]説を説いたのでしょう。上の子は、私がこれまでにいろいろやらかしていることもあり、サンタだのトゥースフェアリーだのは父である、とほぼあたりを付けているようです。一方で、クリスマスツリーは、飾りたいようで、今年も子供たちのリクエストにお応えして、大変重たいツリーを、私とつれあいとでうんせうんせとリビングに運び込んで組み立て、皆で飾り付けました。下の子は、まだ、サンタの好物のチョコレートクッキーを焼いて、クリスマスイブの夜には、ミルクと一緒にツリーの下に置いておくのだ、と言っています。
そんな状況下で、つれあいが、「友だちから勧められた」というサンタ映画「Red One」を見ようと言い出しました。amazon primeで見られるので、部屋を片付けて、リビングでみんなで鑑賞しました。以下、ネタバレを含みます。
映画の冒頭から、クリスマスイブに親戚の家に集まっている子どもたちの中の一人が、プレゼントを親たちが隠している小部屋の戸を開けて、いとこたちに見せ、「クリスマスプレゼントは、サンタなんかじゃなくて大人たちが買ってくるんだよ。」と種明かしをします。それを見つけたその家のお父さんが、子どもたちをリビングに戻して、その子だけを残し、「うちに来てクリスマスを楽しむのは歓迎だ。だが、ヘンなことを他の子に吹き込むんじゃない。」とお説教をします。しかし、「どうやって、1日で世界中の子供たちにプレゼントを配るんだ。」、「サンタなんかいない。」というその子に対して、筋の通った説明はできるはずもなく、結局、おじさんはにらみつけるだけです。
私は、「おいおい、ほんとにこの映画、子ども向けサンタ映画のおすすめとしてあってるんだろうな。」と、チラッと、連れ合いの方を見ます。
物語は、そこから一気に30年後にうつり、その子は、人の物は勝手にとるは、目的のためには火事は起こすは、のダメダメな大人(クリス・エヴァンズ)になっています。ただし、超一流の情報屋(追跡者)であり、主人公の一人です。やがて、彼の行動がきっかけで騒動が起こり、もう一人の主人公、サンタの護衛隊長(ドウェイン・ジョンソン)とともに、誘拐されたサンタを追跡することになります。
この映画の中で、「どうやって、1日で世界中にプレゼントを配るんだ。」という疑問に対して、その裏側が示されます。簡単に結論だけいうと、「力わざ」です。超人的な身体能力(情報処理能力を含む。全人類の起床と就寝を把握している)をもつサンタクロースと、彼によるプレゼント配布をサポートする、都市一つ分にも匹敵する規模の妖精たちのプロジェクト実行チーム(空を駆けるトナカイたちを含む)と、1年かけた綿密な準備と、サンタクロースを含む伝説や神話の秘密を守る超国家組織(長官がルーシー・リュー)と、米国空軍などの協力と、によって、それは達成されています。
サンタクロース(J・K・シモンズ)は、100kgを超えるようなバーベルで日々肉体を鍛錬し、上空の橇からロープで屋根に飛び降りて、通気ダクトの中を匍匐前進してプレゼントを配る、筋肉ムキムキな爺さんであり、護衛隊長は、あの筋肉ムキムキ、スキンヘッドのドウェイン・ジョンソンであり、サンタクロースの弟、クランプス(クリストファー・ヒヴュ)も筋肉ムキムキで、ドウェイン・ジョンソンと殴り合いを演じ、南国のリゾート地で主人公たちを襲うスノウマンたち(雪だるま。CG)までも筋肉ムキムキです。主人公らのアクションシーンもなかなか楽しめます。
まあ、しかし、何しろ、この映画の世界では、サンタや神話や伝承の中の存在は実在する、ということになっていて、最後はもちろん、ハッピーエンドです。ちなみに、「Red One」とは、彼の本名を口にしないためのサンタクロースのコードネームであり、たとえば、米国空軍の管制官からは、「Red One、離陸を許可します。」などと呼びかけられます。
というわけで、「Red One」は、一応、サンタクロースは実在する、という映画であったわけですが、上の子は、「あのサンタは、本物じゃないと思う。俳優さんがやってるんだと思う。」といっていました。「本物」については、それ以上、娘は言及しませんでしたが、おそらく、そこに突っ込むとあまりいいことはない(たとえば、プレゼントがもらえなくなるなど)と思っているのかもしれません。さて、我が家のサンタ伝説は、どのような終わりを迎えることやら。[K.H]