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ベタが好き
中学、高校のころから、「ベタ」な展開にのっかる、というのが大好きでした。
高校時代、土曜の午前の授業が終わり、弁当を食べおわって、部活動が始まるまでの時間、老夫婦がやっている珈琲豆屋さんで、片手間に提供していただけるコーヒー(深煎り、浅煎りなどもリクエストできる)を、ボロボロのソファに座って飲みながら、仲間とグダグダするのが習慣でした。天井からつり下がったブラウン管式テレビはつけっぱなりになっており、土曜の昼間、時代劇の再放送などが映されていました。仲間とコーヒーを飲み、しょうもない話などしながら、しかし、片方の耳ではしっかりと話の展開を追っており、やがて、家来ともども助さん格さんにコテンパンにのされて、印籠の前にひれ伏し、己の罪状をご老公に並べ立てられた、ここぞというタイミングで、平伏していた悪役俳優さん(川合伸旺さんなど)が脇差を抜こうとする一瞬前に「ええい!もはやこれまで!」とその台詞を奪ってしまうくらいに好きです。そういうベタな展開にのっかるのが。ちなみに、この「ええい!もはやこれまで!」は鉄板なので、前半で物語がどういう展開をしようと、物語は最後で、だいたいこの一言に収斂されます。ごく稀に、自責の念に駆られた悪徳役人が切腹する場合もありますが。
なお、同様に、「ええい!此奴は偽の上様じゃ!切れ!切り捨てい!」と家来どもをけしかけて乱闘に持ち込むという場面も大好きです。
時代劇以外でも、やってみたいなあ、と思っているベタな(or周知の)展開、というものがあります。
娘の結婚披露パーティを自宅の庭でやって、自身は書斎に引っ込み、膝の上の猫をなでながら、訪問客(たとえば葬儀屋)の泣き言を聞いてやる、というのも、やってみたいことの一つです(https://paramount.jp/godfather50/)。しかし、娘はいるものの、結婚披露パーティをやれるほど広い庭ではありませんし、司法の及ばない範囲のことがらについて影で私的制裁を加えられるような裏社会の影響力もありませんので、こちらの実行は難しいようです。
近ごろ、もう一つ、やりたいことが増えました。娘が連れてきた若者が、お茶菓子の豆大福を出されて、「ありがとうございます、おかあさん。」というと、「まだ君の『お母さん』じゃないっ!」と、少し上擦ったような声で言う(三井善忠さんという俳優さんだそうですね)。そして、「もう、あなた。」と奥様に諌められる(都道府県民共済、チーム青の共済、結婚の挨拶編)。あれをやってみたい。十数年後くらいに自宅でできないかなあ、と思っています。[K.H]