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Vixion2(登録商標)その後
前回のトピックスに、「白内障とVixion(登録商標)」として、レンズの形状を変えることで焦点距離を変えられる眼鏡のことを書いた。書いて数日して、Vixion2が届いたので、早速使用してみた。なるほど視野はだいぶ広くなっている。それでも、この眼鏡をかけて町を歩けるか、というとちょっと心許ない、というのが正直なところだ。視野の狭さは、何に、あるいは何が接近するか分からない戸外では、不安が大きい。
しかし、室内で使う分には問題がない。と言うわけで、たまに自宅でテレビを見ながら家事をするときに使っている。手元を見て、遠くのテレビ画面を見る、また手元を見る、という繰り返しに、焦点距離の調整は、1秒程度で完了する。なかなかのものだ。
白内障は、目の水晶体というレンズが蛋白質によって透明度を徐々に失い、視野全体が暗くなり、見分ける力が極度に低下する病気だ。今のところ、一度濁った水晶体の透明度を元に戻す治療方法は見つかっていない。白内障は、かつては「白底翳(しろそこひ)」と呼ばれ、治らないという意味では、「病気」というより「障害」と呼ぶべきものだったが、今では水晶体をシリコンレンズなどに置換する水晶体再建手術により、視野の明るさと視力とを取り戻せるようになった。
とはいえ、これは「治療」なのだろうか。近視の酷かった私は、7歳の時から眼鏡を、18歳の時のからコンタクトレンズを使ってきたが、近視が眼球の長軸化が過度に進むという病気の結果であれば、眼鏡やコンタクトレンズの使用は眼球の長軸化を治していないから、「治療」という気はしない。水晶体再建手術によって眼内にレンズを入れるのは、治療だろうか。
私は去年の夏から、外出時に、HyperShellという筋力アシストツール(外骨格ロボット)を使っているが、これも治療と言うより、ツールだという気がする。何が治療で、何がツールかを区別するのは意外に難しい。身体の不調を幾分かを解消し、生活の質(QOL)を向上すると言う意味では、治療もツールも同じだからだ。強いて言えば、手術など身体への侵襲を伴うものが治療、身体に非侵襲性のものがツールと言うことになるのかも知れない。この定義に従えば、iPS細胞を用いた心筋シートの移植や心臓移植などは明確に治療、更に電動ポンプ型の人工心臓やペースメーカーを埋め込むことや、人工股関節置換手術も治療になる。他方、今回のVixion2やHyperShell等はツールだ。
私としては、身体の不調などを整えてくれる非侵襲性のツールが、これからも増えてくれることを願っている。新しいものやギミック的なものが、身の回りに増えてしまうのは、終活という観点からは困りものだが・・・・・。[T.S]