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結膜炎右往左往
2025年の年末に、結膜炎を患った。結膜炎を本格的に患ったのはこれを初めてで、最初は数日で治るだろうと思っていたのだが、結果的には2週間近くかかってしまった。発症したのは12月27日だったので、すぐに年末年始のお休みに突入してしまい、近くの眼科に行くと言う選択肢がなかったこともある。とは言え、かなりひどい状況だったので、せめて殺菌だけでもしてもらおうと思い、名古屋市医師会急病センターに行くことにした。
結膜炎の場合、コンタクトレンズを嵌める事はできない。私はかなり近眼なので、コンタクトレンズがないと目的地まで行くのも大変だった。急病センターは、眼科だけではなく、内科や外科なども併設されており、土曜日曜、夜間そして正月のお休みなどに、何人もの医療関係者が詰めている大変ありがたい施設だ。診察を初め、対応してくださった医療関係者には本当に感謝しかないのだが、急病センター自体の受付システムなどは、デジタル敗戦という言葉が直ぐに思い浮かんだほど、酷いものだった。しかしまぁこれはまた別の機会に取り上げようと思う。
今回、この急病センターで私が困ったのは、トイレの表示だった。トイレに行こうとして、どちらの入り口が男性用なのかわからなかったのだ。もちろん表示はされていた。しかしそれはかなり高い位置で、コンタクトレンズを外した私には、男性用か女性用かを示すアイコンが区別できなかったのだ。通常だと、女性用が赤系統の色、男性用が黒や青系統の色と言う例が多いのだが、最近はこうしたジェンダーと特定の色を紐付けることが、社会的な刷り込みになると言った理由で忌避されることが多い。急病センターのトイレもこの例に漏れない。また、アイコンだけでなく、文字による表示もあったのだが、その文字の色もアイコンと同様、どちらも同じようなグレーの表示で、しかも表示されてる位置が高いのだ。なので、顔をいくら壁に近づけても読み取ることができなかった。
やむを得ず、男性とおぼしき人が入っていくのを確認し、後についていくことにした。前は歩いてる人が男性か女性かも、本当のところは確証はなかったのだが、入って行った先は男性用トイレだった。よかった。
こりときの経験から私が言いたいのは、ジェンダーを特定の色に紐付けておいて欲しいということではない。そうではなくて、施設の作り方(デザイン)が利用者のことを考えていないのではないかと言うことだ。眼科も併設されていると言う事は、目の悪い人や特定の理由でコンタクトレンズなどを使えない人が来ていると言うことになる。そうであれば、トイレの表示のみならず、呼び出しの番号の表示なども含め、もっと見やすい場所に見やすい方法で表示することを考えて欲しい、ということだ。外科の近くのトイレであれば、足の悪い人が入りやすいかどうか、例えば、平らな場所でもあっても通路に手すりを付けておくと言った配慮があるべきではないか。
この急病センターの運用について、ことさらどうのこうのと言いたいわけではない。日本の施設では利用者の声を聞き、誰にとっても使い易い施設を作ろうという考え方が十分に普及しているとは言い難い、と感じることがままある。デザインとは、社会的な課題を解決することだ、と言ったデザイナーがいた。今回もそんな彼の言葉を思い出すことになった。[T.S]