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3時間講義

 先日、2年ぶりに3時間の講義をしました。日本弁理士協同組合が主催する弁理士事務所職員講座の名古屋会場の講義です(2年に1回開催)。私の担当は、中国、台湾、韓国、インドの特許出願の手続です。
 
 やってみて思い出したのですが、1日で3時間の講義をすると、私は、その後、疲労困憊して、胃がむかつくは、頭痛はするは、もちろん喉は痛むはで、大変なことになるのでした。ふだんから講演でご飯を食べている人や、大学に講座を持って、決まった日時に講義をしている同業者たち、大学教授等をしている友人らには、尊敬の念を禁じ得ません。とても自分にはできないと思います。それでも、単発でときどきこういう講義を引き受けているのは、本件については、断りにくい先生から頼まれたという事情もありますが、一つには、自分の知識の確認およびアップデートになること、そして、ずいぶん前になりますが、最初に3時間の単独講義をしたとき(これは、日本弁理士協同組合の弁理士事務所職員講座ではなく、日本弁理士会東海支部が主催する「休日パテントセミナー」でしたが)、ツイッターなどに書かれた感想が結構好評で、それに気をよくしたこと、が理由として挙げられます。
 
 しかし、この講義は、一つの法体系ではなくて、中国+台湾+韓国+インドという4カ国分の法律、施行規則、審査基準などを一々あたって、裏を取りながら準備をしなければならないので、かなり準備が大変です。この講義を初めてやった前々回(4年前)は、大阪の講義を担当された先生が作成されたテキストを使わせていただいたのですが、前回は、一から自分でテキストを準備しました。かなりの時間を費やしましたが、それでも、時間が十分とれず、あちこち誤記がありました。また、「条文上、施行規則上はそうなっているが、実際のところはどうなのか?」という点の確認までは手が回らず、講義後の質問には十分お答えすることができませんでした。
 
 今回は、自分のテキストを使用した2回目の講義だったため、2年間の法改正、規則改正、その他、各種の各国間取り決め等のアップデートなどを確認して反映することが、テキストの準備については主でした。このため、一からテキストを作った2年前よりは負荷が少なくてすみ、その分、4カ国の横並びの比較をテキストに追加したり、外国の代理人が弊所を訪問したときに話題に上った実務トピック(実際にはどうなのか)などを、事前に思い出しておくことができ、当日の講義で、話すことができました。
 
 特に、この講義では、対象国の中にインドが入っており、「条文上、施行規則上はそう書いてあるけれど(例.「every other application」、インド特許法8条(1)(b))、実際、どこまでやる必要があるのか? 現地の代理人(弁護士)はどう考えるのか? 他の人たちはどこまでやっているのか?」など、規定の解説だけではすまない部分があります。今回は、事前の準備の時間をそれらの確認に割けたこと、そして、弊所の事務担当者の力を借りることができたこと(講義後の個別質問で「明成ではこうしている」と情報提供してもらった等)で、受講生の方たちが知りたいことは、だいたいは説明できたかな、と思っています。
 
 前回もそうだったのですが、今回も、講義が終わるとぐったりして、とても飲みに行く元気もなく、かといって、まっすぐ家に帰って子供の相手をする元気もさらになく、喫茶店に入って、抹茶パフェとホット抹茶ミルクをいただいて(甘い物が欲しいのですが、チョコレートパフェはくどくてムリ)、ぐったりし、体力がわずかなりとも回復するのを待ったのでした。そういえば、昔、休日パテントセミナーではじめて3時間の講義をやったときも、司会をやった先生とその後、ラーメン屋に行ったのですが、ラーメンとビールを残したのを思い出しました。
 
 しかし、ときにはこういうふうに、ふだん使っている筋肉(能力)とは違う筋肉(能力)も使わないとね、とも思うのです。[ K.H ]

 

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投稿日:2018年11月06日