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紅茶を作る

我が家では、ヨーグルトや味噌などの発酵食品作りを楽しんでいるという話しは、このトピックスで以前に書いた。で、このところ、嵌まっているのは、紅茶作りだ。紅茶は、茶葉を自己発酵させて作る。15年ほど前、ちょっとしたきっかけで岐阜県の白川町(合掌作りで有名な白川村とは違う)に縁ができ、その地の農家の方と様々な付き合いをするようになった。白川町はお茶の産地として結構有名なのだ。何しろ日本で最初にペットボトル入りのお茶(白川茶)を作ったとウィキペディアに書いてあるほどだ。
お付き合いのある農家もかなり広い茶畑を持っておられる。我が家では、毎年茶摘みの季節になると、一年分の白川茶を買っている。白川茶を初めとする日本茶は、茶葉を一切発酵させない不発酵茶だが、紅茶は、茶葉を100%自己発酵させる。とはいえ、日本茶も紅茶も、使う茶葉は、基本的には同じお茶の木のものだ。実際、白川町内の三川には、紅茶を作っておられる製茶組合があった。しかも、その「高原仕立て『白川の紅茶』」はかなり美味しい。以前飲んでいたイギリスのFortnum and Masonの紅茶と変わらないほどだ。そこで、農家の方の茶畑で茶葉を摘ませて頂き、自分たちで、紅茶を作ってみることにした。
まず茶葉を摘み、これを1日かけて乾燥させる。この工程を萎凋と言う(写真1)。

20210914-写真1

 

続いて萎凋させた茶葉をカットする。このとき、以前KickStarterで手に入れた円形の包丁がすごく役に立つ(写真2)。

20210914-写真2

 

カットした茶葉を手で揉んで葉っぱの細胞組織を壊し、発酵しやすい状態にする。これを揉捻と言う。萎凋も揉捻もちゃんと辞書に載っている言葉なのだが、この年になるまで知らなかった。揉捻した後の茶葉を、40℃ほどに保持し発酵させた後、発酵がそれ以上進まないように100℃近くに加熱して、発酵を止める。後はこれを干して乾燥させる(写真3)。

20210914-写真3

 

乾燥用の干し台は、切り干し大根だの、バジルだの、様々な食材を干すのに使っている手製のものだ。こうして元の茶葉1kgから約200gの紅茶ができる。
各工程の中で一番大変なのは、茶葉を揉む揉捻だ。これには結構力が要るので、2kgの茶葉を揉捻すると、時間もかかるし腕も疲れる。
それで少しでも楽をしようとあれこれ考え、洗濯板のようなものを自作した。これで揉むようになって大分楽になった(写真4)。

20210914-写真4(2)

 

そういえばどこかでモータで動かす揉捻機というものを見た記憶があったので調べてみると、これは町工場での物造りの面白さを描いた「ナッちゃん」(たなかじゅん、集英社・1998-2006)と言う漫画に出ていた。しかし電動式の揉捻機を作ろうと思うと、そんなに簡単ではない。個人で使うには洗濯板程度が丁度良さそうだ。
 
作った紅茶を飲んでみると、香りも良く結構おいしい。以前買って飲んでいた紅茶と比べると香りが少し足りないようにも思うが、毎日飲むには充分だ。今年作った紅茶では、我が家の一年分には足りないので、来年はもう少し作ってみようと思う。自家製の紅茶が加わって、我が家の朝食用食材の自家製率は更に高まった。[ T.S ]

 

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投稿日:2021年09月14日