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秋は英会話の季節

 もう12月後半になってしまいましたが、例年、9月から11月にかけて(今年は12月第1週まで)、海外各国から特許出願を扱う弁護士が訪れます。その国の特許庁への特許出願を弊所から依頼している代理人です。韓国の代理人は、日本語を話せる人も多いのですが、他の国の代理人とは、英語での会話になります。まれに通訳の方がついて来ることもありますが、たいていは弁護士だけで来ます。一人のこともあれば、数人のこともあります。

 

 1週間のうちに2チーム以上の来訪があると、自分の担当案件の締め切りが迫っているときなど、応対をするのが煩わしく感じることもあります。しかし、仕事でやりとりをしている相手がどういう人間なのかを知っておくことは、お互いの仕事の役に立ちます。仕事のレターが来たときには、レターの末尾のサインを見て、「ああ、彼か。」と思ったりします。こちらからメールを送るときも、相手の顔を思い浮かべながら書くことができます。このため、お互いに顔を合わせて話す機会は、お互いにとって貴重です。また、日頃、英会話教室に通っているわけでもない私としては、英会話慣れしておくいい機会ですので(弁護士の話す英語はきれいです)、来訪の打診があれば、できるだけ面倒がらずにお会いし、その後の食事も設定するようにしています。

 

 いつだったか、ある代理人に「なぜみんな秋に集中してくるのだろう?」と尋ねたところ、なるほど、という回答がありました。「他の人のことは分からないが、おそらく、こういうことだろう。まず、秋は、日本に来るのにとてもよい季節であること。そして、春も訪問にはよい季節なのだが、3月に日本に来ていろんな会社を訪問して、知財部の人と知り合いになっても、多くの日本の会社は3月末に人事異動があるので、せっかく知り合った人が特許出願の部署からいなくなってしまうことがある。そうなると、また来なければならなくなる。」なるほど。その延長線上でいえば、4月や5月は、まだその部署のことがよく分かっていない新任の方がいらっしゃる場合もあるでしょうから、海外の代理人の来訪が秋に集中するのも納得できます。先日きたドイツの代理人たちは、仲間のうちの一人が初めて日本に来る人であったので、日本滞在中でちょっと時間ができたときに、伏見稲荷に行ってきた、ということでした。あの真っ赤な鳥居が延々と並んでいる秋の伏見稲荷は、なるほど、日本訪問のよい思い出になるでしょう。

 

 私は、いつも、外国から代理人が来る1週間ほど前から、頭の中を英語慣れさせておくために、仕事帰りの電車の中で、英語版の「めぞん一刻」(高橋留美子)(こちら、またはこちら参照)を読むことにしています。十数年前、米国にしばらく滞在していたときに、3巻くらいまで出ているのを本屋で見つけて、その後は、新しい巻が出るのを楽しみにして、本屋に通っていました。結局、全巻が出そろったのは、帰国後でしたが。

 

 「めぞん一刻」がよいのは、一刻館というアパートが舞台の、ごく普通の(?)人たちの間で進行する物語であるため、くだけた日常会話で話が進むことです。宇宙船やら、転送装置やら、ライトセイバーやら、妖怪やら、魔法やら、騎士やら、武器やら、軍事用語やらがたくさん出てくるような話と違い、おつむの中身を日常の英会話のモードにするのに適しています。現在は、かなりの巻が絶版になっていてamazon.co.jpでも高値がついているようですが、べつに1巻から読まなければいけないわけではありません。安く入手できる巻を読めばよいのです。物語を知らない人は、Wikipediaでも見て、おおよその舞台設定を把握しておけば、あとは主人公の五代君と管理人さんがくっつくんだかくっつかないんだか、ぐだぐだしている、そして、一刻館の住人たちが面白い騒動を起こしている話を、楽しく読めばよいのです。

 

 これの数少ない欠点は、ヒアリング能力が伸びないことですが、まあ、それは、dvdなど、他で補っていただくとして。

 

 なお、これと、ペン型電子辞書、たとえば、これこれがあればかなり面白いのではないか、とも思うのですが、レビューを見る限り、電車の中で英単語を読み取らせるには、まだ性能が十分ではないようで、購入には至っていません。おすすめのペン型電子辞書があれば、ご教示下さい。

 

 というわけで、今回は、日常のトピックと見せかけて、実は「私のおすすめ」シリーズでした。[ K.H ]

 

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投稿日:2016年12月20日