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祖父から授かった知恵

 先日、私のつれあいと、つれあいの両親と、私の両親とが、私の家でお茶をする機会がありました。私はそのとき、残念ながら弁理士会の用事があって、同席できませんでしたが、その席で、私の小さい頃の話題になったそうです。

 

 私自身はまったくおぼえていなかったのですが、どうも、私は、小学校1,2年生の頃は、学校の成績がよろしくはなかったようです。母がそのことを気にして、私に「テストの問題が分からないの?」と聞くと、「わからないことはないけど、書いてる時間がないの。4年生になったらちゃんとやるからいいの。」と答えたそうです。私自身は、その会話はまったく覚えていませんでした。そして、4年生になった頃には、ちゃんとできたそうです。

 

 その話を聞いてすこしたってから、卒然と思い出しました。それは、母方の祖父が小さかった私に授けてくれた知恵でした。前後の脈絡は覚えていませんが、祖父のうちに遊びにいっていた夏休みのときだったでしょうか、母が私の学校のテストのできを気にしている、と私が祖父に言ったのかもしれません。祖父は、「ケン坊はアタマがええぞ。いまはそうでも、4年生くらいになったらちゃんとできるようになるで。いまに誰にも負けんようになるで。お母さんやお父さんに何か言われたら、『4年生になったらちゃんとやるで、今はこれでいいだ』ていうだぞ。そのかわり、4年生になったらちゃんとやらんとかんぞ。」と、知恵を授けてくれたのでした。そのときは本当かなあ、と思いましたが、祖父の言うことですので、私はうちに帰って、次に母にそのことを聞かれたときに、そのまま答えたのでしょう(その場面は覚えていません)。祖父は、普段の私を観察していて得た感触のほかに、私が2月後半の生まれであることも考慮に入れて、そのように見当を付けたのかもしれません。おかげで私は、小さい頃、親に勉強でしぼられることもなく、ぽわんと過ごすことができたのでした。

 

 親とはまた違う見方で子供を観察し、子供に現実をやりすごす知恵を授けてくれる、そして、自分を絶対的に信じていてくれる祖父のような人がいたことは、自分にとって本当にありがたいことであったなあ、と思います。そして、この歳になって、四十年も前に祖父が小さかった私に知恵を授けてくれたことを思い出すことができたことは、本当に嬉しいことでした。[ K.H ]

 

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投稿日:2015年12月02日