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数式と発明

 この前の明成のトピックスに、これからの弁理士は「理論を支える数式を、数式としての整合性を取りながら、明細書に落とし込んでいく」という操作ができるようにならないと仕事にならないのではないか、という記事があった。
 私も、発明者が書いた発明の説明書に数式が書いてあるものが好きな方だ。数式を追ってゆけば発明の内容を理解できるからである。但し、数式を理解できれば、という前提付きであり、数式の理解が難しいものも少なくない。また、明細書を書く上では、(1)その分野の技術を知らない人にも理解できるように論理的に説明すること、及び、(2)明細書の説明が限定的に解釈されないようにそれ以外の数式や処理方法で実現できることを説明すること、などの点にも留意する必要がある。
 近年担当しているロボット分野やAI分野では、数式が多用される案件もある。特に、AI分野は極めて広範な理論や技術に亘るので、説明書に書かれている数式や理論を理解するために、発明者との面談前にかなりの勉強が必要になることも少なくない。また、AI分野の本は書店に行く度にどんどん増えており、それ自体は楽しいのだが、どの本が実務に役立つのかを探すのに結構な時間が掛かることも事実である。
 この仕事を何十年とやっていても、新しい分野の基礎理論を勉強して理解する、という作業の必要性はずっと変わらないように感じる。但し、この点は我々の仕事の楽しさの一因であることも確かである。[ T.I ]

 

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投稿日:2018年12月04日