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偽装と事故対応

 免震ゴム、排気ガス制御ソフト、杭打ちなど、最近いろいろな偽装が次々と明らかになっている。エアバックの不良についても「データ操作」と見られる不適切な報告があった旨の報道がされている。これらの事件から、自社の製品や作業に対する会社の姿勢が透けて見えるような気がするのは私だけではないだろう。自社の製品や作業に何かしら大きな問題や事故が発生したときには、それに対応する会社の姿勢が問われるのだ。
 「事故対応」と言うと、最初に就職した会社のことが思い出される。
 その会社は「事故が大好き」な会社だった。その会社の製品に大きな不具合や問題が発生すると、従業員がやたらと張り切って「事故対応」に没頭する。私が入社して7年ほど経ったあるとき、特注の大型製品を顧客に納品したが、仕様書通りの性能が出なかったという問題が発生した。問題発覚後、設計・製造・検査各部門の部課長を含む20~30人が昼夜を問わずにその製品の不具合対策に取り組んだ。ところが、徹夜で作業に当たっているのに、何故かみんな元気一杯で、しかもなんだかとても楽しそうだった。
 何とか対策が無事に終わり、関係者全員で慰労パーティを開いていたとき、或る課長が言った次の言葉が今でも思い出される。
 「製品に事故が発生するのは完全には防げない。大事なのは事故が発生したときにどう対応するかだ。きちんと対応すれば顧客の信用を高めることだってできる。」
 また、別の課長はこう言った。
 「うちの会社は組織が大きいから事故でも何でも目立った方がいいんだ。事故で目立った上にうまく対応できれば、社内の評価も上がるぞ!」
 この話を聞いて、事故対応なのにみんな元気一杯で楽しそうだった理由が分かった気がした。事故対応をプラスに考える社風のせいかどうかは分からないが、この会社はいまでも業界でトップクラスの業績を維持している。[ T.I ]

 

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投稿日:2015年11月10日