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二輪プラスワン

 以前、トライクについて書きました(こちら)。しかし、バイク的な乗り物で、3輪の乗り物はトライクだけではありません。その記事で、「トライクは、まったくバンク(車体が傾くこと)しない」と書きましたが、3輪で車体がバンクする乗り物もあるのです。それが、ヤマハが販売しているLMW(Leaning Multi Wheel)です。LMWは、前2輪、後ろ1輪の乗り物ですが、リンクを使って、前2輪を接地させつつ、車体を傾けることが出来るように構成されています(こちら)。
 
 バイクは前1輪、後ろ1輪で走っていますが、後ろは(前に比べれば)滑ってもそれほど怖くはありません。極端な例では、学生時代、雨降りの下りの峠道で、後輪がグリップを失い、後輪が右前に出て、車体が傾いて転倒しそうになったことがありましたが、とっさに左足で地面を蹴り飛ばして、車体を立て直し、転倒を免れたことがありました。こういうときは、お尻が少し下がるのですが、(前輪の場合に比べれば)それほど怖くはありません。これに対して、前輪が同様の状態になると、運転者のアタマが地面に近づくので、また、車体の方向を決める前輪が地面に対するグリップを失うわけですから、恐怖を感じます。やはり学生時代、冬の帰省時、国道21号線の関ヶ原の長い下りで積雪があると、前輪がグリップを失いがちで、本当に恐怖でした。
 
 それが、LMWでは、ある程度にもせよ克服されるということで、ヤマハのNikenが発売されて数ヶ月がたった頃、試乗車があるヤマハの販売店に試乗しに出かけました。店の周囲、数kmを試乗させてもらいましたが、これは、ものすごく安定感があるものでした。普通のバイクが自転車と同様だとすると、「コタツの上に突っ伏して昼寝している」といってもよいくらいの安定感があります。「これはすごいなあ。」と思いましたが、外観デザインが私の好みではないので、「ちょっと、自分で買うのはないかな。」という感じでした。
 
 もう一つ、バイク的な乗り物で、3輪の乗り物といえば、サイドカーです。戦争映画などでドイツ軍の将校が乗っていたりしますし、ハリーポッターでもハグリッドが乗っています。つれあいが「トライクに乗ってみたい」といいだしたとき、私としては、トライクなどよりもサイドカーに興味がありました。サイドカーは、基本、2輪扱いなのですが、2輪駆動車(バイクの後輪と側車の1輪が駆動する)の場合は、4輪車と同様に、4輪免許でヘルメットなしで乗れるようです。どうも、日本では、法規の狭間にある乗り物のようです。そこで、レンタルのトライクを見に行ったついでに、その近所にサイドカーの販売店も見に行ってきました。
 
 お目当てのサイドカーは「ウラル」。ロシア製のサイドカーです。ウラルというのは、サイドカーだけを作って売っているメーカーですが、バイクの方は、昔、ソ連時代にBMWのバイクをコピーしたものを、今でも作っているそうです(そこらあたり、BMWから文句は出ないのでしょうか)。バイクの外見は、あたりまえですが、昔のBMWに似ています。試乗させてもらいましたが、ギアチェンジの際にガッションガッションいう感じは、私のちょい古BMWとも似た感じです。しかし、アクセルを開けると側車(バイクの横に付いている車体)の方に進もうとし、アクセルを閉じるとバイクの方に進もうとする、という、サイドカー特有の左右非対称の動作特性を持っていますので、常に、アクセル開度を考えつつ、行きたい進行方向とは少しずれた向きにハンドルを制御してやる必要があります。そして、特に、何かに驚いてアクセルを緩めると、バイクの方、ウラルの場合はバイクの右側に側車が付いているので、左の路肩の方に進もうとするので、試乗している農道から落っこちそうな気がします。とっさに自分の感覚に沿って動かせないのはちょっと怖かったので(慣れなのでしょうが)、これも私としては「ちょっとないかな。」という結論となりました。
 
 そのとき、代理店のオーナーと少し話をしたのですが、いろいろとロシアとのビジネスの苦労を話してくれました。この店はハーレーの代理店もしているのですが、ハーレーの取引よりもかなり大変とのこと。いま、ウラルのサイトのトップには、「STOP WAR NOW」と書かれています。今の状況下で、あの代理店のオーナーは、ロシアから車両や部品を取り寄せられているのでしょうか。その後、あの店には行ってみていないので、どうなのかは分かりません。[ K.H ]

 
ウラルの写真

 

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投稿日:2022年05月31日