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ペット(その1)

 私が犬を飼うようになったのは小学校4年生の時、以来、40年近く犬の居ない生活を経験したことがない。我が家では、ペットという表現を、おそらく一度も使ったことがない。
 最初に我が家の仲間入りしたのは雄の柴犬、大五郎。当時、高蔵寺ニュータウンに住んでおり、周りは未だ空き地が点在していた。今となっては余り耳にしない、あるいは、遭遇したことのないであろう野犬がそれほど珍しくなかった。子犬と散歩する小学4年生には、それは怖い存在であった。
 大五郎はとても賢く、父には従順であったが、私や妹に対してはどこか軽くあしらうような所があったことを記憶している。この頃は、犬は外で飼うもの、という固定観念に囚われていた。もったいないことをしたと思っている。

 

 高校2年の頃、我が家は名古屋市内に引っ越した。引っ越し先で、一匹の野良犬(彼女)と出会うこととなる。近くに女子校があり、とても穏やかな性格の彼女は人気者であり、遊んでいた女子高生がバスに乗ってしまうと、トコトコと何処かに帰って行った。私の妹もとてもかわいがっており、あるとき、妹に呼ばれて、私も彼女と出会うこととなる。低い塀に腰掛けると彼女は傍にちょこんとお座りした。手に持っていたコロッケを少しちぎりあげると美味しそうに食べるが、それ以上のおねだりをするでもなく、私が立ち上がると、やはりトコトコと去っていった。
 ある日突然、妹から母に電話が入った。彼女が捕獲されてしまったのである。母は収容先の愛護センターを探しだし、愛護センターの檻の中で震えている彼女を引き取った。その頃、我が家では犬を多頭飼いするという考えはなかったが、突然、強制的に多頭飼いが始まる。キャンディーズのファンであった妹に「ミキ」と名付けられた彼女をお風呂に入れた。我が家は庭付きの公団であったが、庭には既に大五郎が住んでいたので、ミキは部屋の中で一緒に生活することになった。
 やがてミキのお腹には子犬が居ることが判る。この結果、私達家族、特に私は貴重な体験をすることになった。・・・つづく [ Yo.I ]

 

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投稿日:2016年03月15日