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なぜの最果て

 相変わらず「なぜ」、「どうして」を繰り返している上の娘(4歳)ですが(過去のトピックス)、最近、究極の問いといってよい類の質問を発するようになりました。
 
○昨年12月の問い
「にんげんはなんでしぬの?」
 
○1月の問い
「しってなに?」
 
 昨年9月に、つれあいの祖父のお葬式があったこと、7月に会ったときには、まだふつうにお外で会えて、元気に見えたこと(大人たちにはもう長くないことは分かっていましたが)、ヨシタケシンスケさんの「このあと どうしちゃおう」を寝る前にときどき読んでいること、などが影響しているとおもいます。ちなみに、亡くなったつれあいの祖父は、この絵本に出てくるおじいちゃんにちょっと似ていました(髪の具合や体型が)。
 
 
○12月の問いへの答え
「にんげんはなんでしぬの?」
「人間だけじゃないよ。動物も死ぬよ。
 コマちゃん(飼っていた熱帯魚ベタ)だって死んじゃったでしょ。それで、お庭に埋めてあげたでしょ。
 生きてるものはみんないつかは死ぬし、物だって使ってるうちに、いつかは壊れるよ。おもちゃもこわれるでしょ。」
「じゃあ、どうしてにんげんやどうぶつはしんだり、ものはこわれるの?」
「生き物も、生きてないおもちゃなんかの物も、物は、ずーっと同じままではいられないんだよ。時間がたつとどんどん変わっていくんだよ。
 生きてるものはいつかは死んじゃうし、今こういう形をしているものも、いつかは壊れて、この形のままじゃなくなるんだよ。」
「どうして?」
「どんなものでも、ものはすべて移り変わっていくんだよ。」
「どうして?」
「そういうものなんだよ。
 ずーっと変わらずにいる物はないんだよ。消えてなくなっちゃったりはしないけどね。」
 
 この問答を通じて、「真理に、理由や説明はない」ということにあらためて気づき、「なぜ」を突き詰めることは、哲学なのだなあ、と思ったのでした。
 
 
○1月の問いへの答え
「『し』ってなに?」
「『し』って、おおきいおじいちゃんが死んじゃっだり、コマちゃんが死んじゃったりした、その『死』のこと?」
「うん。その『し』のこと。」
「まわりの人からしたら、もうその人が動かなくなることかな。話しかけても答えないし、ごはんを食べたりもしなくなるしね。」
「うごかなくなって、どうなるの?」
「そのまま放っておくと、腐っちゃうだろうね。お野菜や果物が古くなると腐るのと同じだよ。」
 
 このときは、それ以上この問答は進みませんでした。
 
 死を、死ぬ者の側から説明することは、未経験者としては無理ですし(経験者で、話が聞ける者もまわりにおりませんし)、「死後の世界」や「死のとらえ方」を語るのは、(人によって選ぶものが違う)宗教の役割ですので、現実の世界の生き方を教える親としては、また、この先、自分の死よりもまず、まわりの人の死を経験して行くであろう、この子に対しては、こういう答えでよいかな、と思いました。
 
 「このあと」のことは、「このあとどうしちゃおう」でも、生前のおじいちゃんや、おじいちゃんが残したノートを見た「ぼく」によって考察されています。「死をどう考えることにするかは、この先、自分で考えながら決めていってね」と思っています。[ K.H ]

 

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投稿日:2021年03月16日